Michina’s diary

食に関すること全般にフォーカスしています

ぜんまい

今日からから5月。山菜を食べられる旬が残り少なくなってきたなぁ、早めに食べておかなくちゃ、と、食に関しては人一倍執着のある私はスーパーで考える。東京のスーパーにもパックに入った山菜が売られているけれど、量が少なかったり、収穫してから時間がたってアクがで黒ずんでいたりするのを見ると、実家暮らしは贅沢だったなぁ、と急に実家で過ごした時間を思い出す。

山に分け入って、木と下草の香りに包まれながら、無心にワラビやゼンマイを収穫する。慣れてくると知恵が付いて、大きく育ち過ぎたものは筋張っていて美味しくないから、と手を出さずに、柔らかく頂けるものだけを選んで収穫出来るようになるのだ。だから、旬を少し間違えると今日の収穫は期待が出来ないな、なんて事がわかるようになってくるものだ。東京で長年生活していると田舎暮らしの日常が日常ではなかった事に気づく時がくる。無邪気に田舎生活を楽しんでいたのだな、なんて気持ちが一瞬、胸に去就する。

環境が違うのだから当たり前の話なのだけれど、都会で購入する山菜は残念ながら現地での新鮮さに欠けるので、山菜らしい山菜にであえたときには小躍りして喜んでしまう。田舎に旅行に出ると、その季節の山菜や土地の食材を使った料理が無理なく頂けるのがうれしい。田舎旅行の醍醐味の1つだ。

そういえば、田舎の母から送ってもらった乾燥ゼンマイが在ったなぁ、と、急に思い出し、調理してみることに。コロナで静かな街中でも、植物の緑は関係なく色が濃くなって、気温も過ごしやすくなっていく。

ゼンマイはあまりぐつぐつと煮てしまうと繊維が柔らかくなりすぎてしまうので、優しく気長に戻すのがコツだと思う。調理出来る状況になるまで半日はかかるので時間に余裕のあるときに調理すべし。母からのメモには「赤い汁が出なくなればOK」としか記載がないから、クックパットやネットでゼンマイの戻し方を調べて、替えのない材料をどうにか美味しく調理したいという一心で調理した。そしてどうにかできあがったのが、下の写真のゼンマイの炒め物だ。味付けは、ごま油、醤油、みりん、酒、以上。

 

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多分、この時のゼンマイは最盛期のものではなく若干細身なゼンマイだったようだけれど、懐かしのゼンマイ炒めが完成!味付けはそこそこだし、美味しく頂けるレベルにはできあがった。

母より祖母のゼンマイ炒めのほうが美味しかったのはキャリアのせいなのかどうなのかわからないけれど、GW実家に帰るとこのゼンマイ炒めを食べるのが私の楽しみの1つだ。今年は新型コロナウィルスのため、高齢の家族の住む実家に帰ることは控えようと思っているけど、早く終息してくれることを願うばかり。本当に思いもよらない事って起こるものだなぁ、とこの頃感じる毎日を過ごしている。